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【3-1】⑨化粧品の広告ルール・規制について

化粧品の広告ルール・規制について

化粧品の広告については独特の細やかな規制がなされています。
新聞や雑誌、テレビやラジオ、インターネットによるウェブサイトやSNS等、全ての媒体においての広告が対象です。
都道府県の薬務課等は定期的な広告監視を行っている他、違反・逸脱した広告はすぐに同業他社からの通報等もありますので、化粧品広告を行う上でのルールを定めた「医薬品等適正広告基準」の知識は必須です。

規制の根拠

化粧品の広告について、その内容が虚偽誇大等にならないよう、主に以下により規制がなされています。
 ●医薬品医療機器等法 第66条
 ●医薬品等適正広告基準(平成29年9月29日薬生発0929第4号)

化粧品広告を作成する上で大事なことは、ただ例示で示されている表現をそのまま参考にするのではなく、何故その表現がNG(又はOK)なのかを、条文や通知に遡って確認することです。
この確認によって、かなりの見逃しを防ぐことができると思います。
他社の同じような広告を示して、「あの会社だって同じような広告表現をしている」と訴えても、役所は大目にみてはくれませんので・・・

法律上の広告とは?

医薬品医療機器等法においての広告とは、
1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること。
2.特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。
3.一般人が認知できる状態であること。
以上3点全てを満たすと広告とみなされます。(平成10年9月29日医薬監第148号)

罰則は?

医薬品医療機器等法第85条により、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとなっています。

医薬品等適正広告基準について

より具体的な化粧品広告のルール・規制について、それぞれの通知に基づいて記載してみます。

①目的、対象広告、広告を行う者の責務
医薬品等適正広告基準には細かく以下のように規定されています。

【目的】
この基準は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の広告が虚偽、誇大にわたらないようにするとともにその適正を図ることを目的とする。

【対象となる広告】
この基準は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキングサービス等のすべての媒体における広告を対象とする。

このように、広告利用される媒体の多様化が進んでいるので、化粧品の広告に関して媒体を問わず適用されることを明示しています。

 【広告を行う者の責務】
1.医薬品等の広告を行う者は、使用者が当該医薬品等を適正に使用することができるよう、正確な情報の伝達に努めなければならない。
2.医薬品等の広告を行う者は、医薬品等の本質に鑑み、医薬品等の品位を損なう又は信用を傷つけるおそれのある広告を行ってはならない。

医薬品等の広告には、その特殊性に鑑みて品位のある広告が要求され、信用を損なうような広告は禁止されています。

上記これらは主に指針を示したものですが、指針であるが故に、全ての化粧品広告に関わっています。

②名称に関しての基準

広告基準 名称関係

(1)略
(2)承認等を要しない医薬品等の名称についての表現の範囲
 承認等を要しない医薬品等については、日本薬局方に定められた名称、法第14条の9若しくは第23条の2の12の規定に基づく届出を行った一般的名称又は届け出た販売名以外の名称を、別に定める場合を除き使用してはならない。
 なお、販売名はその医薬品等の製造方法、効能効果及び安全性について事実に反する認識を得させるおそれのあるものであってはならない。

【略称について】

広告の前後の関係等から総合的にみて医薬品等の同一性を誤認させるおそれがない場合において、ブランド名等の販売名の共通部分のみを用いる場合など名称について略称を使用する場合は、必ず販売名を付記又は付言することにより明示しなければならない。
なお、名称の表現については明確に行うものとし、名称と判断できないような小さな字句等で表現することは認められない。

【名称の仮名又はふりがな等について】

「漢字」の名称で承認等を受けた医薬品等については、その名称の一部又は全部を「仮名」「アルファベット」等で置き換えること又はこの逆の行為を行ってはならない。
ただし、医薬品等の同一性を誤認させるおそれがない範囲で、「漢字」に「ふりがな」をふること及びアルファベットを併記することは差し支えない。

【愛称について】

(化粧品の場合)広告の前後の関係等から総合的にみて、同一性を誤認させるおそれがない場合において愛称を使用することは差し支えない。ただし、その場合、販売名に使用することができないものを愛称として使用することは認められない。

ですので、特定の成分、効能を用いた名称や、既存の製品の同一の名称・安全性を強調する名称 等は愛称としても使用はできません。

③効能効果・性能及び安全性表現について

広告基準 効能効果・性能及び安全性表現関係

(1)略
(2)承認等を要しない医薬品等についての効能効果等の表現の範囲
 略
 また、承認を要しない化粧品の効能効果の表現は、平成23年7月21日薬食発第0721第1号医薬食品局長通知「化粧品の効能の範囲の改正について」に定める範囲をこえてはならない。
 なお、数種の化粧品を同一の広告文で広告する場合は、それぞれの化粧品の効能効果の範囲を逸脱しないように注意する。

 化粧品の効能の範囲をこえた表現はNGなので、例えば「目じりや口元の小じわをなくす」「シワやたるみの改善」「シミ、そばかすを除去」「アンチエイジング」等々の表現は全て不適切な効能効果になります。

【化粧品に定められた効能効果以外の効能効果について】

化粧品の効能の範囲に定められた効能効果以外に「化粧くずれを防ぐ」「小じわを目立たなく見せる」「みずみずしい肌に見せる」等のメーキャップ効果及び「清涼感を与える」「爽快にする」等の使用感を表示して広告することは、事実に反しない限り認められる。

【効能効果のしばり表現について】

しばり表現のある効能効果は、しばり表現を省略することなく正確に付記又は付言する。この場合、しばり部分とその他の部分について、同等の広告効果が期待できるような方法により広告を行う。

【薬理作用に基づく効能効果の表現について】

化粧品は、本来そのほとんどが薬理作用によってその効能効果が認められたのものではないため、化粧品の効能の範囲に記載された効能効果以外の薬理作用による効能効果の表現はできない。

④成分や用法用量表現について

広告基準 成分や用法用量表現関係

(3)医薬品等の成分等及び医療機器の原材料のついての表現の範囲
 医薬品等の成分及びその分量又は本質等並びに医療機器の原材料、形状、構造及び原理について、承認書等への記載の有無にかかわらず、虚偽の表現、不正確な表現等を用い効能効果等又は安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない。
(4)用法用量についての表現の範囲
 医薬品等の用法用量について、承認等を要する医薬品等にあっては承認等を受けた範囲を、承認等を要しない医薬品等にあっては医学、薬学上認められている範囲をこえた表現、不正確な表現等を用いて効能効果等又は安全性について事実に反する認識を得させるおそれのある広告をしてはならない。

特定成分の未配合表現について

特定の薬物を配合していない旨の広告は、他社誹謗又は安全性の強調とならない限り、その理由を併記した上で行うことは差し支えない。
ただ、付随して2次的効果は訴えないこと。

配合成分数の表現について

配合成分の表現の仕方で「10種のビタミンを配合」のように配合成分数をあげることは事実である限り差し支えない。
ただし、強調表現とならないようにすること。

原産国の表現について

製品を輸入して販売する場合又はバルクを輸入して国内で小分け製造する場合には、「○○国生まれ・・・」「△△国製」等表現できるが、原料を輸入して国内で製造した場合には、これらの表現では原料の輸入による国内製造を製品の輸入と誤認するおそれがあるため、このような場合は「○○国から原料を輸入し、製造した」等正確に記載する必要がある。
なお原産国表示については「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則」を参考にする。

安全性関係について

「天然成分を使用しているので副作用がない」等の表現は認めない。

配合成分の略記号表示について

配合成分をアルファベット等の略号・記号等で表現した場合に、何という成分なのか不明であり、あたかも優れた成分又は新しい成分が配合されているかのような誤解を生じるおそれがあるため、本来の成分名が明確に説明してある場合以外は行わないこと。

指定成分・香料の未含有表現について

「肌のトラブルの原因になりがちな指定成分・香料を含有していない」等の表現は不正確であり、また、それらの成分を含有する製品の誹謗につながるおそれもあるので、「指定成分・香料を含有していない」旨にとどめ、「100%無添加」「100%ピュア」等のように必要以上に強調しない。

特記成分について

化粧品において特定成分を表示することは、あたかもその成分が有効成分であるかのような誤解を生じるため、原則認められない。
ただし、特定成分に配合目的を併記する等誤解を与えないよう表示を行う場合は差し支えない。
なお、特定成分を表示することは、すべてが「特記表示」に該当することとなります。

→特記成分とは?
商品に配合されている成分中、特に訴求したい成分を目立つように記載することです。

成分の表現について

化粧品の配合成分の表現に際しては、当該成分が有効成分であるかの誤解を与えないようにする。
また、薬理効果を明示又は暗示する成分が配合されている旨の広告は行わないこと。

安全性に関する表現について

「いくら使用しても副作用がない」、「使用法を問わず安全である」等のような表現は認められません。

⑤効能効果の保証・安全性保証表現・最大級の表現等の禁止

⑥他社製品の誹謗広告の制限

⑦医薬関係者等の推せん広告の禁止

弊事務所では、化粧品の広告ルール・規制等をクリアするためのリーガルチェック・各種サポート業務も行っております。
依頼業務の内容やご要望等、お客様の必要に応じたサポートをさせていただきますので、まずはお気軽にご連絡下さい。

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