年間いくつもの化粧品や医薬品の工場にて、外部監査やコンサルタント業務を行っています。
化粧品や医薬品の製造管理において重要なポイントは、製品の安全性・品質・法規制遵守を確保することであり、だいたい以下ような項目を確認することが多いです。
・原料の管理
品質確認: 使用する原料が適切な品質基準を満たしているかを確認します(例: 重金属、微生物、化学的純度などのチェック)。
供給業者の選定: 信頼できる原料供給者を選び、定期的に評価します。
トレーサビリティ: 原料の入手から使用までの履歴を記録して追跡可能にします。
・製造工程の管理
手順の標準化: 作業手順を標準作業書(SOP)として文書化し、従業員が一貫して正しい手順で作業できるようにします。
製造環境の管理: クリーンルームや温湿度管理、衛生管理を徹底します。
機器の管理: 定期的な点検、校正、保守を行い、機器が正常に稼働するようにします。
・品質管理(QC)
製品検査: 化粧品が出荷される前に、物理的・化学的・微生物学的試験を実施します。
安定性試験: 製品の有効期限内での品質保持を確認します。
不良品の対応: 不適合製品が発生した場合、迅速に原因を特定し改善措置を取ります。
・従業員の教育
トレーニング: GMP(適正製造基準)や関連法規に基づいた教育を従業員に実施します。
衛生意識の向上: 従業員の衛生習慣を確立し、作業場への汚染リスクを低減します。
・法規制の遵守
法律やGMP遵守: 薬機法やGMPへの理解。
規制変更の対応: 法規制やガイドラインの改正
・記録とトレーサビリティ
文書管理: 製造記録や検査記録を適切に保存し、必要に応じて迅速に提供できる状態にします。
トラブル対応: 製品回収や苦情対応の際に迅速に対応するための追跡システムを構築します。
・リスク管理
リスクアセスメント: 製造工程全体で潜在的なリスクを評価し、管理計画を策定します。
変更管理: 原料、製造方法、機器などに変更が生じた場合の影響を評価し、適切に対応します。
これらを包括的に管理することで、消費者に安全で高品質な化粧品を提供し続けることができます。
ただ、我々は、つい行政対応でのコンプライアンス対応を考えがちですが、
ルールである薬機法や通知・細則などの根本にあるのは、最終使用者であるお客様への信頼かと思います。
事業者様や担当者様が迷ったりする事例は、日々起こりえますが、そのようなときは、
ルールの説明とともに、その根幹部分をアドバイスしたりすると、より明確な対応が見えてきたりもするようです。
そのようなアドバイスができた時、長らく薬機法における顧問業務などができてよかったなぁ、と自己満足したりしています(笑)
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